編集委員 三浦彰の「砂漠のような東京…でも」
[ FASHION ]
2009-11-06 14:24:20日 更新
記者会見のようす。左から4番目に見えるのがデザイナー・山本耀司。その右隣りが実娘・山本里美の夫でヨウジヤマモトの大塚昌平・社長。なぜか救済を表明したインテグラルの経営陣も頭を下げている。PHOTO Tsukasa Nakagawa
第10回 ショパンのロ短調前奏曲とヨウジヤマモトの破綻
10月9日の午後6時、
指定された記者会見場である「ヨウジヤマモト」青山本店の1階に入ると
3月に行なわれた2009-10年秋冬「ヨウジヤマモト」の
レディスコレクションの映像が大型TVに映し出されている。
流れている音楽はショパンの哀しげな前奏曲のピアノの調べ。
この記者会見は哀しい前奏曲であるのだろうか。
哀しげでも歩み続けなければならない
デザイナーズ企業の始まりであるのだろうか。
記者会見はその日の午後1時30分、
ヨウジヤマモト社が東京地方裁判所に民事再生法を申請し、
それをうけて投資会社のインテグラルが
同社を救済するという内容だった。
デザイナーを志す若者にとって
まさに神のように君臨して来た山本耀司の会社が破綻したというのは
本当に悲しい出来事だ。
ショパンの前奏曲第6番がしみじみと心にしみた。
何か恨みとか悔いがこめられた、そんな情趣の曲だ。
山本耀司は知っていたのだ。
すでにこの秋冬のレディスコレクションを3月に発表する時点で。
この日が来るのを。
このショパンのロ短調の前奏曲を私は決して忘れないだろう。
(文:WWDジャパン編集部 / 編集委員 三浦 彰)
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