「未来の身体を考えた時、思い描いたのは有機的なアンドロイドでした。」
FN――では“身体”の方にフォーカスしてお話を聞かせてください。
廣川――先ほど話したヘッケルの深海生物が私の考えていた未来像に近いという話をしましたが、それを身体に落とし込んで考えた時、人とアンドロイドの中間をイメージする人物像を創造しました。柔らかさと硬さの中間であり、機械的になりすぎない、有機的な面を持った未来の身体です。それを再現するために素材面で“軽さ”を出し、工学的なヘッドアクセサリで“硬さ”を見せたりしています。
FN――ショーの前半と後半では身体そのものが変容しましたが?
廣川――元々服を着るということは、包み込む構造体があるわけです。(ショーの)前半は“現在”の身体の構造を意識していますが、後半は現在の形状に囚われず、新たに骨格という構造体をデザインし、そこに服を着せてみようと。例を挙げてみると、進化とは違いますが女性は妊娠するとお腹が膨らみ、出産後に元に戻ります。人間の皮膚はかたちにとらわれず伸縮し変幻自在です。このように人間のフォルムを超越した構造体、例えばヘッケルの描いた生命体のような、かたちをデザインしようと。さらにそれにも対応できる皮膚のような服を提案してみました。
FN――これまでのスキンシリーズの概念にも通ずるものがありますね。
廣川――無縫製のニットというのは、未来の服の一つの形だと思っています。驚くほど伸縮性があって、サイズ感もなく、軽量で拡張された構造体にも対応できる。昔から挑戦したかった服の形態です。ミラノサローネへの作品(リンク先:MSN産経ニュース)にも考え方は同じものがありますね。









